【不動産投資の基本】一棟投資を始める前に知っておくべきこと
- 2020.10.30
- 不動産投資とは

これから一棟投資を始められる方は、一棟投資の特徴や成功のコツなどが気になるのではないでしょうか。一棟投資は、不動産投資のなかでもとりわけ収益面・運営面のメリットがありますが、多額の資金が必要になるというデメリットも存在します。本記事では、一棟投資の特徴や長所・短所、また失敗を防ぐポイントなどをご紹介します。
一棟投資とは〜マンション・アパートを一棟買いする魅力〜
一棟投資は、不動産投資のなかでもとりわけハイリスクハイリターンな方法です。潤沢な資金が必要になりますが、その分収益も期待できます。これから一棟投資を始められる方は、あらかじめその特徴や種類をよく理解したうえで、自分の投資予算や資金計画に合うか確認することが重要となります。
特徴
そもそも一棟投資とは何かというと、マンションやアパートなどを建物ごと購入する不動産投資の方法です。不動産投資のなかには、建物のフロアや数部屋のみを購入する「区分所有」という方法もありますが、それに対して一棟投資は多くの資金が必要となる分、より大きなリターンも期待できるという魅力があります。
一棟投資では、建物全体を自分が所有するため、管理や経営の責任はすべて自分一人で負わなければなりません。ただし経験を積み、知恵を活用して成功すれば、他の方法と比べて大きな収入を得られるという利点があります。
種類
一棟投資の対象には、マンションとアパートの2種類があります。マンション投資でもアパート投資でも、居住者から家賃収入を得たり、売却益を狙ったりするという点では同じです。しかし、マンションとアパートは構造的な違いがあるため、それぞれの特徴をよく理解したうえで投資することが肝要といえるでしょう。
実は、マンションとアパートという呼び方には法的な基準があるわけではなく、慣習として区別されていることをご存知でしょうか?
一般的にマンションとは、鉄骨や鉄筋コンクリート造で3階建て以上のものを指し、対するアパートは木造や軽量鉄骨造で2階建てのものを指すことが多いようです。そのため遮音性や建物の強度、セキュリティといった面ではマンションが有利になり、購入費用やメンテナンス費用といったコスト面ではアパートが有利になる傾向があります。投資予算や資金計画を考える際には、これらの違いを意識することが効果的です。
一棟投資のメリット
一棟投資は、収益面においても運営面においてもさまざまなメリットがあります。投資金額は確かに大きくなる傾向がありますが、その一方で、収入金額が大きくリスク対策を講じることも可能です。
期待リターンが大きい
一棟投資では、大きなリターンを期待することができます。一棟投資においては、建物内すべての部屋の賃料が、オーナーである自分の収入となります。一般的に、小さなアパートでは4室から8室ほど備えているケースがほとんどですが、マンションでは数十室規模の物件もあります。また区分所有の場合は、所有している部屋の賃料しか収入になりませんが、一棟投資の場合は、規模が大きければ大きいほど収入も増える点がメリットです。
空室リスクを緩和しやすい
一棟投資では、リスクヘッジがしやすいです。仮に区分所有であれば、投資している部屋に空きがあると、その分の収入がゼロになってしまいます。一方、一棟投資は部屋数が多いため、よほどのことがない限り全室空室になる可能性は低く、空室リスクを分散することができるのです。その点からすると、一棟買いは安定的に収入を得るために効果的な選択肢ともいえます。
運営が自由
一棟投資は、建物のオーナーが自分一人だけなので、自由に運営できる点もメリットです。不動産投資では形のある建物を扱うため、修繕や改装、管理ルールなど、さまざまなことを決めなければなりません。たとえば区分所有では、建物全体に関わるような決定をする際、自分の意見だけでなく他のオーナーの意向も確認する必要があります。場合によっては意見が対立して、協議に苦労することもあるでしょう。一方の一棟投資はというと、そもそも他のオーナーがいないため、他者に決定を左右されません。自分一人で負う責任が大きくなる分、自分の意向を反映しやすいのです。
一棟投資のデメリット
これまで一棟投資におけるメリットを挙げてきましたが、再三お伝えしているように、一棟投資はハイリスクな方法です。投資金額が大きく、また自分一人で運営しなければならない都合上、責任が増えるデメリットも当然あります。一棟投資を検討する際は、これらの注意点を正しく理解して、しっかり備えることが大切です。
多額の資金が必要
一棟投資は、多くの投資資金を用意する必要があります。たとえば、マンション一室だけ購入するなら数千万円で済むケースが多いですが、物件一棟を買うとなると1億円を超えることが普通です。不動産投資では、購入資金の全額を自身で用意しなければならないわけではなく、ローンを組んで調達することも可能ですが、それでも資金負担が増える点は注意が必要です。
不動産ローンを組む場合は、基本的に1割から3割程度を頭金として用意しておくケースが多いです。また、空室リスクや急な修繕に備えて、十分な予備資金を確保しておく必要もあります。このように一棟投資では、どうしても多額の資金が必要となってしまう点はデメリットといえるでしょう。
リスク要因が増える
一棟投資では、あらゆるリスクに対応しなければならない点がデメリットです。たとえば、区分所有よりも借主が多いため、住民トラブルや入退居への対応が増える可能性があります。また、地震や火災などによる被害額が大きく膨らむリスクもありますし、老朽化へのメンテナンス対応が必要になることもあるでしょう。
これらのリスクに対しては、管理会社に委託したり、保険に加入したりするといった対策があります。一棟買いならではのリスクを理解したうえで、しっかりと対策を練ることが大切です。
失敗しない!事前に知っておくべき一棟投資の基本
一棟投資で失敗を防ぐためには、注意すべきポイントを押さえておく必要があります。
収支面については、収支計算や投資プランを練っておくことが欠かせません。購入金額やランニングコストなどを見積もっておき、家賃収入と比べながら見込みの収益率をシミュレートしておきましょう。また、自身で用意する資金額や借入計画も考慮しつつ、最適な投資時期を選ぶことも大切です。
物件の精査も納得いくまで行う必要があります。マンションやアパートは、人が何十年も生活するものであるため、水回りや電気回り、内装といったさまざまな部分が時間とともに劣化していきます。物件を購入する際は、できれば過去の実績も参考にしつつ、価格だけでなくメンテナンス事情もチェックしましょう。
まとめ
一棟投資には、マンションやアパートに投資する方法があり、それぞれ構造や価格に違いがあります。また、一棟買いは収益が大きく運営も自由に行える一方で、多くの資金が必要なためハイリスクになりやすいという特徴を持っています。あらかじめ収支計算や物件のチェックを入念に行い、失敗を未然に防ごうとする意識を持つことが大切です。
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